日本人は無宗教?

先日、新聞を読んでいると、池上彰さんが「経典から日本を眺める」という記事を書いていらっしゃいました。学生と共にコーランを読んでいくことを通して日本を見ていくという講義について書かれた記事でした。

その中で、学生は宗教とは無縁の生活をしているので、海外に出た時に「信じている宗教は何ですか?」と聞かれたら、「信じている宗教はありません」と答えてしまう学生も多いのではないか、そしてイスラム圏でこういう答え方をすると、「信じている宗教がないという事は神を信じていないのだな。」「神を信じていないという事は神を畏れぬ行動をする人かもしれない。テロリストだろうか。」と危険人物扱いされかねない、と書いています。

その上で、「日本人は無宗教か?」という事について、日本人の多くが神社やお寺に初詣に行くことに触れ、これは立派な宗教活動であり、私達は無宗教なのではなく、特定の教派の所属であるわけではないだけ、人知が及ばない存在をどこかで信じているのです、と書いています。

では、「特定の教派の所属ではない」とは、どういう事でしょうか。日本は、仏教、神道、儒教、道教、そしてキリスト教も含めて、ごった煮状態なので、特にどの宗教に属していると言えないという事なのだと思います。

歴史を見ると、明治時代に神仏分離令が出るまでは、仏教伝来以来、日本に根付く中で、日本の土地の神様と仏教は密接に結びつき、神仏習合の考えが一般的でした。インドから中国を経て日本に仏教は伝わりましたが、その中国で仏教は儒教や道教に影響を大きく受けています。宗教というよりも西欧文化として、私たちの生活はキリスト教、キリスト教的な考えに大きく影響を受けているように思います。

ヒンドゥー教のヒンドゥーはインドという意味だそうです。インドとはだいぶ状況は違うと思いますが、私は、日本経というのがしっくりくるのかなとも思います。